6+アントワープ・ファッション展に行って来た。

東京オペラシティーアートギャラリー
6+アントワープ・ファッション展拝見す。
http://www.operacity.jp/ag/exh105/index.html

アントワープファッションはあまり分からないので、いつかリンクするものがあれば、というくらいの気持で見に行ったんだけど、とても威圧される展示だった。
入っていきなり使徒みたいなフォルムの、気色悪いドレーピングを目の当たりにした。肉体を模したようなその服は、日本人の華奢な肉体の形では到底辿り着けそうに無いインスピレーションの塊だった。
しかしこれらもアントワープ王立美術アカデミーの<学生>が作ったもので、決してどこかの商業ブランドがコレクションのために作った服じゃない。学生でここまでできるって事が本当に凄い。
あと印象的だったのが、丁度人間の肩幅をおおうほどの大きさの<シャッター>を前後にあしらって服として見せている作品!いやー、もはや服じゃないじゃんw
学生作品群はかなり前衛的で、狂ってるとしか言いようがない。


次はアントワープの巨匠6人のコレクション…今回の表題の<+6>にもなっている人たち。
入ってすぐの黒のテーラードは普通にカッコいい…これはマルタンマルジェラか。
やはりテーラードはクラシックだけど一番腕の光る作品である。
その緻密に計算されたパターンと仕立てのクオリティに驚きを隠せない。
こんなのが似合うモデルは日本人にはいないんだろうなという悲しみが同時に湧く。
その他もわりとカッチリしつつも前衛アントワープの名残的などことなく倒錯な作品が目立つ。


映像展示には各種コレクションのダイジェストが。

ブランド名と作品が一致しなくて申し訳ないのだけど、コレクションに来た客をとても長いテーブルに並べ、食事をもてなしてから、食事終了後、今度はテーブルがレッドカーペットに変身し、それまで食事が並んでいた上をモデルが練り歩くという演出の凝ったコレクションが印象的だった。
あと、舞台裏と舞台の境界がなく、準備仕事をしている場面も全て客に見せるというこれもまた変わったシチュエーションのコレクション。準備の整ったモデルからどんどん繰り出されていくかんじが工場っぽくて少し面白かった。基本的にモデルは無表情だから不思議な感じだよね。



アントワープ展の後、同時開催中の「収蔵品展029 女たち」&「project N 37 阿部岳史」も同チケットで拝観できたので見て回る。
アントワープ展以外のもう2つの展示は事前情報がなかったのだけど、こちらも結構楽しかった。



「収蔵品展029 女たち」のほうは、その名の通り女性をモチーフにした作品の展示であった。
あんまりわかんないなーと思っていたら、宇野亜喜良四谷シモン金子國義の作品があった。まさかこんなところで球体間接人形を拝めるとはー!!
宇野亜喜良は小型のキャンバス作品が多く展示されており、やはりいい感じにノイズがかっていて、毒々しくて美しいですね。繊細なタッチのか細い輪郭もまた心に突き刺さる感じなのです。
宇野亜喜良とか金子國義の浴衣は毎年出ててかっこいいなーと思った。
特に金子國義の浴衣の浴衣は髑髏とか蛇がモチーフで黒ベースなので、男性が着るとかなりかっこ良いですね。



かっこいい!お洒落な浴衣♪PUP090529MJ05「金子國義」浴衣男反物ドクロ(クロ)





そういえばユニクロで去年ぐらいに中原淳一コラボの浴衣が出てて素敵だなーって思った。

ユニクロはその名の通り安価の代名詞で浴衣もマジで安いんだよね。まぁミシンで縫ってあるから安いのは当然なんだけど…。浴衣とか着物とか和服は本来手縫いで仕立てるものだから高いんだよね。そういうコストを取っ払って新しい価値を創造するのも大事だな。

あー、内藤ルネ浴衣とか出そう。高橋真琴とか。元祖スイーツ……